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要旨:日本のお茶は 800 年頃に中国から伝わったものであるが、茶道として発達し、中国の茶文化とは大きな違いが生まれている。それは日本の茶文化が民族文化の発展に伴い、その民族自身の特色と融合し、ついに日本全土に普及した茶道になったからである。 日本茶道に関する研究は中国国内外でも多く、茶道の歴史やお点前から中日茶文化の比較を論じたものまで、多様な研究が発表されている。それらを読んでいるうちに、日本茶道は随所に禅の精神を内包していることを発見した。 13世紀の初め、栄西禅師が二度目の渡宋先の南宋から臨済禅とともに茶の実を持ち帰ると、お茶を飲む習慣と禅宗の浸透が進み、室町時代中期には日本茶道の開祖・村田珠光が「茶禅一味」(茶と禅の精神を統一)の境地に到達した。書院作りの茶室に相応しく、茶をたてて心の静けさを求め、茶を行う者の精神性を強調したのである。珠光の草庵の茶を一層深化、簡略化させ、精神性をより高めたのは武野紹鴎である。武野は禅的な「侘び」の理念を打ち立てた人物で、「茶道の洗練者」と言われている。 茶道の完成者は千利休である。利休は小さい時から「茶の湯」を好み、大徳寺で禅の修行をしたり、武野紹鴎から「侘び」の精神を学んだ。利休は珠光が主張した「謹敬清寂」を「和敬清寂」となし、それが茶道の精神となっている。 キーワード:-茶道、禅、茶禅一味、侘び、和敬清寂
目次 要旨 中文摘要 序論-1 一 研究の目的-1 二 茶道の定義-1 三 禅の定義-2 第一章-茶禅一味の形成-3 1.1-茶禅一味形成以前-3 1.2-開祖村田珠光-4 1.3-先導武野紹鴎-5 1.4-集大成千利休-5 第二章-茶室に見られる禅-7 2.1-露地-7 2.2-躙口と床の間-7 2.3-美学-8 2.3.1-空寂の美-8 2.3.2-不完全の美-8 2.3.3-自然変化の美-9 第三章-茶道と禅の精神-10 3.1-和敬清寂-10 3.2-一期一会-10 第四章-現代の茶道-12 4.1-利休以後の茶道流派-12 4.2-茶道思想の消失-12 結論-14 参考文献-15 謝辞-16 |