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要旨: 現代世界経済のグローバル化、科学技術、通信技術の発達が時間と空間を圧殺し、世界を縮小したことで、異文化に住む人々のつながりを急速に強め始めた。もはや国家という次元を乗り越えた協調と対話が必要な時代の到来を明示している。このように、今日の世界は、脱国的な相互依存の方向へ向かっている。この時点で異国と他民族とのコミュニケーション、異文化の理解が急務となってきている。言語は思想を伝達するツールであるが、違う言語への理解、固有特性、背景についての把握こそが、そのツールを使いこなす鍵であろう。 本研究は主に大連市経済開発区にある日系企業の中国人社員30人と日本人社員30人を研究対象に、中日両国の言語表現の中に、典型的に摩擦を招きやすい断る場面における表現、曖昧語、挨拶語、マイナス待遇表現を中心に調査したものである。その調査に基づいて、比較的な視点で断る場面における表現、曖昧表現、挨拶語、マイナス待遇表現を考察し、そのうえ、その摩擦を生じた原因について探求した。 この考察を通して今後の中日間異文化コミュニケーションでは多元化の視点で、中日両国間の言語表現における相違、両国の文化などを意識しながら、効果的にコミュニケーションのやりとりをし、日系企業で働いている中国人と日本人に対して異文化コミュニケーションのあり方を提示し、またそのための資料を提供、社員への異文化コミュニケーション教育を発展させることができればとても現実的な意義があろうと思われる。
キーワード:日系企業;中日間;異文化コミュニケーション;摩擦;言語表現
目次 摘要 要旨 1はじめに-1 1.1研究の背景-1 1.2研究の目的-1 2「異文化コミュニケーション」とは-3 3日系企業における中日間異文化コミュニケーション摩擦の具体的表れ-4 3.1断る場面における表現によるコミュニケーション摩擦-4 3.2曖昧表現によるコミュニケーション摩擦-4 3.3挨拶語によるコミュニケーション摩擦-6 3.4マイナス待遇表現によるコミュニケーション摩擦-8 4日系企業における中日間異文化コミュニケーション摩擦が生じた原因-11 4.1断る場面における表現による摩擦を起こす原因-11 4.2曖昧表現による摩擦を起こす原因-11 4.3挨拶語による摩擦をおこす原因-12 4.4マイナス待遇表現による摩擦をおこす原因-12 5終わりに-14 参考文献 謝辞 |