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要旨
『菊と刀―日本文化の型』(以下は『菊と刀』と略す)は日本のあらゆる側面に関与し、拙論はこの中の一面である「U字型曲線」から、日本の近代幼少期教育を検討する。日本の近代幼少期教育は早い段階から開始し、その進んだところもあれば、欠点もある。アメリカの人類学者ルース·ベネディクトは第二次世界大戦中の日本には行っていなかったが、さまざまな情報にもとづいて、独自の視点から「U字型曲線」の理論を提出した。 本論文で探索しようとするのは、今の日本の幼少期教育においては、「U字型曲線」の理論がまだ存在しているかどうか、また、他の国がからそれをどう見られているのかということである。「U字型曲線」の理論の形成背景を明らかにしたうえで、日本人の国民性についての考察を試みるとともに、「U字型曲線」の理論は日本社会に与えた影響および今日における「U字型曲線」の理論への受容についても説明する。 そのため、本論文は次の四つの部分からなっている。まずは、ルース · ベネディクトと『菊と刀』を簡単に紹介する。次は、問題を提出し、「U字型曲線」に対する各国の見方を分析する。そして、主に「U字型曲線」理論の成立の背景をめぐって概観する。最後は、「U字型曲線」理論が戦後アメリカの日本占領政策に対する影響と日本社会への影響を考察する。 本論文の目的は、論証と分析を通じて、「U字型曲線」が形成された背景、近代日本幼少期教育の特徴および、それが日本人の国民性の形成過程において果たした役割を検証し、今の日本幼少期教育には、「U字型曲線」はいまだ存在していることを提示する。
キーワード:U字型曲線 第二次世界大戦 幼少期教育 国民性
目次 中文摘要 要旨 1.はじめに-1
2.『菊と刀』についての説明-2 2.1『菊と刀』創作の背景について-2 2.2アメリカおよび他の国(特に中国などアジア諸国での評価)-3
3.「U字型曲線」理論の提出-5 3.1「U字型曲線」理論の提示-5 3.2「U字型曲線」に対するアメリカ人と中国人の読み方-5 3.3日本人学者たちの反論-7 3.4評価の異同より引き出された社会の制約性-8
4.「U字型曲線」理論の形成-10 4.1執筆時の社会、法律などの状況について-10 4.2明治期以後の日本幼少期教育の特徴-10 4.3幼少期教育に影響を及ぼした日本人の国民性-11
5.「U字型曲線」理論がもたらした影響について-13 5.1戦後アメリカの日本占領政策に対する影響-13 5.2戦後日本社会への影響-13
6.おわりに-15
参考文献-17 |