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要旨:戦後、日本社会には天地をひっくり返すような大変化が起こった。日本文壇にも戦時文学より戦後文学に転換し、多種多様な文学流派が次々と登場してきた。その中で、線香花火のような無頼派は登場したとたんに、一躍時代の寵児となり、日本戦後文学の転換と発展を促進していた。 それはなぜかといえば、その原因は無頼派文学の「反俗精神」にあると考えられる。いわゆる「反俗」とは「俗世間とは異なった考え方や態度」である。無頼派は当時で正統とされる文学と全く異なった文学理念及び表現技法により、文学創作を行う。無頼派文学は反俗、無頼を基とする戦後世相をリアルに描き、伝統的な国家制度や旧来の道徳や既成文化を全般的に批判し、反逆する。 本論文では、坂口安吾の『桜の森の満開の下』を中心に、無頼派文学の「反俗精神」について分析する。『桜の森の満開の下』は説話の形式で書かれた小説であり、中に豊かな象徴意味を含んでいる。坂口安吾はこの小説にて、ある架空な世界で山賊と美しい女との「無頼的な」、「堕落的な」生活を描くことにより、生き生きと戦後世相及び日本国民の絶望、空虚な精神状態を描いた。 本論文では、本文は三つの部分からできている。第一部分は無頼派文学の概況、『桜の森の満開の下』という作品及び作家について述べる。第二部分は文学理念及び表現技法の両方から、『桜の森の満開の下』における反俗精神を具体的に分析し、研究する。第三部分は文学理念及び表現技法の両方から、無頼派文学の反俗精神を総括して評価する。本論文により、無頼派文学の反俗精神について明らかにしたい。
キーワード:無頼派文学 反俗精神 表現技法 文学理念
目次 要旨 中文摘要 はじめに-1 1 無頼派文学と『桜の森の満開の下』について-2 1.1 無頼派文学とは-2 1.2 『桜の森の満開の下』の作者について-3 1.3-作品について-4 2.『桜の森の満開の下』における反俗精神-4 2.1 文学理念-5 2.2 表現技法-6 3.反俗精神に対する評価-7 3.1文学理念に対する評価-7 3.2表現技法に対する評価-8 おわりに-8 参考文献-10 謝 辞-11 |