要旨: 周知しているように、中国における大学入試の受験生が通常、英語を外国語科目とするが、ほかの外国語で受験した高校生もいる。その中には半分近くの生徒が日本語を選んでいると言われる。しかし、これまで日本語科目と英語科目との比較についての研究が十分に行われているとは言えない。そこで、本稿では中国における大学入試の日本語科目と英語科目を比較し検討した。

本稿ではこれまでの研究結果をもとに、主に三つの面、即ち、設問の形式、各設問の点数分布、試験の難易度から両科目を比較し、日本語受験生の側から、日本語を受験科目とするメリットとデメリットを分析した。その結果、次のことがわかった。まず、日本語科目の試験問題は、全国統一され、英語科目の難易度より低いこと、選択問題を主な形式とする客観的な問題が大きな割合を占めているため、単語を覚える負担が英語より軽いこと、中国人の生徒にとって比較的簡単な読解問題が総点の三分の一を占める、という特徴を持つことが明らかになった。また、日本語の受験科生にとって、高得点の獲得の可能性がある、学習時間の要求に十分満たす、将来専攻分野の選択と留学の準備ができるなど利点を持っていると同時に、サポートの不足、専門の制限および英語の弱さの影響などの問題に直面している。これによって、日本語を受験科目とする二面性をさらに理解した。最後には、その一連のデメリットについて、今後の社会、学校、教師の三つの面における実行可能性のある対策を検討した。

キーワード：中国の大学入試; 日本語科目; 英語科目; 二面性

目次

要旨

中文摘要

1.はじめに-1

1.1研究背景と目的-1

1.2研究意義-1

2.大学入試の外国語科目としての英語と日本語の受験状況-2

2.1英語科目の現状-2

2.2日本語科目の現状-2

3.日本語科目と英語科目との比較-3

3.1設問の形式-3

3.2各設問の点数分布-3

3.3 試験の難易度-3

4.日本語を受験科目とする二面性-5

4.1 メリット-5

4. 1.1 高得点の獲得の難易度-5

4. 1.2  学習時間-5

4. 1.3  留学の準備-5

4. 2 デメリット-5

4. 2.1  サポートの不足-5

4. 2.2 大学専攻からの制限-6

4. 2.3 英語の弱さがもたらす影響-6

4. 3 デメリットへの対応措置-6

4. 3.1  社会側の措置-6

4. 3.2  学校側の措置-6

4. 3.3  教師側の措置-7

5.おわりに-8

参考文献-9