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要旨: ライトノベルの発祥地は日本である。このライトノベルという分野はここ数十年来、新しい小説の分野として盛んになっているものであり、その読者はほとんど若者である。一般の小説と異なるのは、マンガ風のイラストを用いることであり、また文章も堅苦しくなく、気楽に読める文体である。この気楽に読めるというのが、ライトノベルという名前の由来である。 以前は「ライトノベル」という独立したジャンルは確立されていなかったが、ここ数年の大流行によってジャンルが独立した。毎月130冊程度の新刊が発売されている。またアニメ化や映画化の相乗効果もあって、一般の小説をしのぐ勢いを得ている。 本稿で取り上げる『文学少女』はライトノベルの分岐点にあたる作品である。宝島社の『このライトノベルがすごい!』では2005年から2010年までのライトノベルを紹介しているが、2009年を境にして大きな変化が起こった。2005年から2009年に関しては、ほとんどの作品がアニメ化とは関係なく、むしろ文学系統のものが多い。しかし、2010年から急に手軽な小説と変化し、いわゆるファーストフード・カルチャーになってしまったのである。2009年のトップ20の中には当時人気のアニメ番組を小説化したものが多い。そして2009年のトップ作品が、今回取り上げる『文学少女』なのである。 本稿の研究は、『文学少女』を中心として、現在流行しているライトノベルの流行の原因を研究する。そして今後ライトノベルはどうなるのか、日本の文学界はどうなるのかを考察してみたい。
キーワード:小説;ライトノベル;作家;販売量;アニメ化 |