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要旨: 本論文では、2001年4月第一次小泉内閣の成立から2006年9月第三次小泉内閣解散までの時間帯を軸にして、小泉純一郎の外交政策、特に対中政策とそれが中日関係に投じた波紋及びその間の中日関係のあり方を検討してみた。小泉政権は、国内では構造改革を推進し、国外では日米同盟に力点を置く国際協調路線を持ちだしながらも、中国や韓国などの近隣関係は改善されるどころか、むしろ悪化する一方である。小泉は首相として中国や韓国などの強い反対を冒して、何回も靖国神社を参拝したり、日台議員連盟を発足させ日台の実質関係を強化したり、二次世界大戦終戦60年記念という節目での発言も「植民地支配」や「侵略」などのことばを使わず村山談話より後退した姿勢を見せたりして、中国人民の強い反発を呼び起こした。それがために、いわゆる「政冷経熱」と言った望まれない国家関係を招いた。その背後には、「中国脅威論」が働いているところが多いと指摘したい。
キーワード:小泉純一郎;中日関係;中国脅威論;靖国神社参拝
目次 摘要 要旨 1はじめに-1 2戦後中日関係の歩み-2 2.1国交回復前の中日関係-2 2.2国交回復から21世紀初頭までの中日関係-2 3小泉純一郎および小泉内閣の外交政策-4 3.1小泉純一郎という人物-4 3.2小泉内閣の外交政策-4 4小泉の歴史認識-6 4.1靖国神社参拝について-6 4.2台湾問題について-8 4.3歴史認識について-9 5小泉内閣時代の中日関係-10 5.1二十一世紀初頭の中日経済関係-10 5.2対中政府開発援助(ODA)をめぐって-10 5.3「政冷経熱」の中日関係-11 6終わりに-12 参考文献-14 謝 辞-15 |