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要旨
2009年5月に、村上春樹の長編小説『1Q84』が刊行された。この7年ぶりの作品に対し、日本国内外の人々は様々な意見を述べている。この作品は宗教組織、家庭内暴力、不倫などの社会問題を提起した『総合小説』であると言う人もいるし、善悪を混同し相手を戸惑わせ、複雑な問題から逃げている物語に過ぎないと言う人もいた。しかし、『1Q84』の主題を明らかにするために、作品におけるメタファーの内面的な意味についての研究は十分に行われているとは言えない。そこで、本文では、『1Q84』におけるメタファーを対象にして、作品のテーマとこれらの社会問題に対する村上の考え方について検討を行った。
キーワード:メタファー; 宗教; 暴力; 善悪観; 体制
目次 要旨 中文摘要 1.はじめに-1 1.1 研究の動機と意義-1 1.2 先行研究-1 1.3本稿の目的と方法-2 2. 『1Q84』について-2 2.1 『1Q84』の創作背景-3 2.2 『1Q84』に対する評価-3 3.『1Q84』におけるメタファー-4 3.1メタファーとは-4 3.2『1Q84』と『1984』-4 3.3月について-4 3.4「リトルピープル」について-5 3.4.1リトルピープルとは何か-5 3.4.2リトルピープルから見る強権主義-5 3.5「さきがけ」について-6 3.5.1「さきがけ」とオウム真理教-6 3.5.2「さきがけ」から見る善悪-6 4. 『1Q 84』から見る日本の社会問題-6 5.まとめと今後の研究課題-7 5.1まとめ-7 5.2今後の研究課題-7 参考文献 謝 辞 |