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要旨
今まで中日両国において、川端文学に関する研究が多く、研究する方法も豊かであるけど、「色彩」という視点から川端文学を解読する研究はまだ多くないようである。川端文学を通して作者の女性審美や自然審美の意識も読み取られそう。作者のそれらの感情を表現する際に作品にある豊富な色彩語がそれなりの効果を発揮している。川端はよく「赤」と「白」という二つの強い人間情感を暗示する色彩語を活用し、異なる奥深い意味を表していた。川端の色彩表現には作品に出た人物の感情や運命に密接に繋がることが感じられる。以上のことで、色彩語、特に「赤」と「白」を視点として『雪国』、さらに川端文学全体を研究する価値があると思われる。では、色彩が『雪国』の解読に何の役を立ているだろうか。色彩は主人公の駒子、葉子、島村とは何の関係があるのだろうか。また色彩は『雪国』の自然を表現する時どういうふうに理解したほうがいいか。さらに、色彩と生と死の間どんな関わりがあるのだろうか。本稿は、先行研究に踏まえ、今までの川端文学における色彩表現の研究に基づいて、以上の問題点を抱えながら、色彩というやや新たな視点から『雪国』における「赤」と「白」の共存を検討しようと考えている
キーワード:雪国 赤 白 相違
目次 要旨 中文摘要 1.はじめに-1 2.先行研究-1 3.川端康成と色彩-2 4. 『雪国』での赤と白-3 4.1『雪国』での赤-4 4.2『雪国』での白-7 5. 中日文化における赤と白-9 5.1赤-9 5.1.1 中国における赤-10 5.1.2 日本における赤-11 5.2 白-12 5.2.1 中国における白-12 5.2.2 日本における白-14 6.おわりに-15 参考文献-15 |