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要旨
日本語にとって敬語が重要不可欠で、恩恵関係を表す授受補助動詞も日本語勉強の中で重要な学習項目の一つであることは議論ないであろう。面白いことに、高橋(1975)では「わたしはかみをきった」という例文が書かれた。今までいくつかの論文により授受補助動詞の習得の難しさはよく指摘されている。本稿では「~てもらう」に焦点を当て、コーパスに基づき、さらに日本語母語話者と中国日本語学習者に対してアンケートを行い、その使用実態を①必須②なくてもいいに大きく分け、発話場面ごとに人間関係と恩恵負担の二つの観点から分析した。その分析の結果、授受補助動詞「~てもらう」を省略しても文の意味が大きく変わらぬ場合は少なくないこと、そして日常会話だからこそ、言葉を短くして主な内容を伝えたい場合は「~てもらう」が省略されやすいことが分かった。また中国日本語学習者の「~てもらう」の回避傾向がその習得の難しさと実践練習の不足を示していることなどが得られた。
キーワード:授受補助動詞; 「~てもらう」; 日本語母語話者; 中国日本語学習者
目次 要旨 中文摘要 1. はじめに-1 2. 先行研究及びその問題点-2 2.1 「~てもらう」について-2 2.2 介在性の他動詞文-2 2.3 問題点-3 3. 本研究の目的と方法-4 3.1 研究対象-4 3.2 研究目的と研究方法-4 3.3 用例の抽出-4 4. 分析と考察-5 4.1 意識実態-5 4.2 使用実態-5 4.2.1 必須の部類-6 4.2.2 なくてもいい部類-8 5. まとめと今後の課題-15 5.1 まとめ-15 5.2 今後の課題-16 参考文献-17 付録-19 |