要旨:中島敦（1909-1942）は日本近現代文壇における有名な作家であり、「山月記」と「李陵」、「弟子」、「光風夢」などの作品がある。日本の文壇で線香花火のような存在ですが、独自の道を切り開いた人物である。中島敦は中国及び西洋の学問に通じており、中国の古典だけでなく、西洋の文学や哲学にも精通している。彼の作品スタイルは簡潔で高邁であるのみならず、深刻な哲理も潜んでおり、人間の存在及び運命に対する深刻な見解があり、高度な形而上学の特徴もある。従って、彼の作品は長く後世に続けていく魅力を持って、世界各国の読者の心を引き付けている。中島敦は日本にて一番早く西洋の現代主義文学に接触した作家の一人であるようである。戦後以来、彼の作品が各バージョンに変えて中学校の教科書に取り入れられていたので、彼は後世に深く影響を与えてきた。なお、彼は夏目漱石と森鴎外などの文学家と一緒に日本の国民作家という地位を占めていた。

本論文にて、「山月記」及びその出典である「人虎伝」を比較することを通して、この二部の小説の違いを分析する。なお、この二部の文学作品の中にて李徴が虎に変身した原因をそれぞれ探求すると共に、中島敦の作品の中に反映した不安意識及びもう一部の作品――「李陵」と結びつけて彼が人物の再創造及び改編を分析する。

キーワード：山月記  人虎伝  自尊心  羞恥心  不安意識

目次

中文摘要

要旨

はじめに1

1. 「山月記」と「人虎伝」との比較1

 1.1 「山月記」と「人虎伝」の主な違い1

1.2 「山月記」の中で、李徴が異化した原因2

1.3 「人虎伝」の中で、李徴が異化した原因3

1.4 「山月記」と「人虎伝」の中に描いた李徴の異化原因についての比較3

2. 李徴と中島敦の溶合い3

 2.1少年時代から博学で才能溢れていた3

 2.2才能がありながら認められなかった4

 2.3「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」がある4

3. 中島敦の作品の中にある「不安意識」5

 3.1 中島敦の「不安意識」の形成背景5

 3.2 「山月記」の中に反映した「不安意識」6

 3.3 「不安意識」の生まれた時代背景7

4. 中島敦が登場人物の再創造及び作品の主題思想7

 4.1登場人物の再創造7

 4.2 作品の主題思想8

おわりに9

参考文献10

謝辞11