要旨:「るろうに剣心」というアニメーションはかつて日本全国で大騒ぎを引き起った。言うまでもなく、漫画家の巧みな技法、そして、主人公の憂鬱な性格とハンサムな格好などは全てその好評を受けた一部の原因である。また、現代人の人々に明治維新時代の誇りを思い出させたのもそのアニメーションの成功に大きな役割を果たした。そして、「るろうに剣心」は明治維新を徹底的に支持した志士達をも我々の目の前に思い浮かばせた。「るろうに剣心」は武道を題材に、幕末の武士―緋村剣心の伝説的な生涯を語っている。作品に登場した人物達は皆個性が豊かで、例外なく武道の教え諭しの中に育てられた。幕末から明治初期まで、武道精神に忠実した彼達はやむをえずにその精神を裏切らなければならないという過程を経歴した。時代の発展に伴い、日本では伝統的な武道精神に疑いを持ち始めた。現代日本は武道の中の優れた文化を継承すると同時に、伝統的な死の美学や女性の社会地位問題、さらに特権問題などを反省して、新しい価値観を形成した。故に、武道の精神についての研究は大和民族の特徴を究明することでの重要な手がかりになると思われている。

本稿はまず「るろうに剣心」に出てきた代表的な武士を紹介する。即ち緋村剣心、四乃森蒼紫、天剣宗次郎及び志志雄真実である。中には主人公の剣心を中心に紹介する。次は作品の中に反映された武道の精神を簡単に説明する。最後に武道の精神を違反した主人公達の行為から武道に対する価値観の変化を指摘する。最後の部分では死を尊ぶという生命観から命の生まれ変わりを重視するまでの変化に焦点を当てて論じる。

キーワード   緋村剣心  武道  価値観  生まれ変わり

目次

中文摘要

要旨

はじめに5

1.「るろうに剣心」に描かれた武士達のイメージ5

1.1人斬り抜刀斎——緋村剣心5

 1.1.1緋村剣心の原型5

1.1.2 緋村剣心のイメージ5

1.2 四乃森苍紫6

1.3 天剑宗次郎6

1.4 志志雄真实7

2．「るろうに剣心」に反映された武道の精神.7

2.1忠7

2.2義8

2.3勇8

2.4礼と仁8

2.5誠8

2.6武士の刀——武士の魂9

3.現代日本武道価値観の変わり9

3.1死を尊とぶという生命観から命の生まれ変わりを重視するまでの変化9

3.2 附属から離れ、独立した女性位置の改善10

 3.3特権社会から民主社会へと変わり10

おわりに11

参考文献12

謝辞13