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要旨:司馬遼太郎は日本における有名な小説家であり、大衆文学家でもある。彼の歴史小説は明快なテーマが提示されているから、日本人の生活を覆ったストレスが解消できる。それで、多くの日本人に愛読された。なお、8作品がNHK大河ドラマの原作となった。日本人に大きな影響を与えたと言える。日本の「国民作家」と呼ばれている。それに、司馬遼太郎は中国と縁が深い、1974年11月、司馬遼太郎と陳舜臣は中国についての対談が行われ、その後、『対談 中国を考える』を書いた。半年後(1975年5月))、つまり田中角栄首相が中国を訪問し、中日共同声明が調印され、中日国交正常化してから約3年後、司馬遼太郎は日本代表作家代表団の一員として、北京、西安、延安、無錫等の所を歴訪した。1977年8月、井上靖と一緒に新疆ウイグル自治区を訪問した。4年後、江蘇省と逝江省、四川省、雲南省、福建を訪問した。数多くの中国を素材とした歴史小説と中国紀行を出版した。 本稿は、司馬遼太郎の作品と司馬遼太郎についての研究論文などの資料を読解して、『項羽と劉邦』、『長安から北京へ』、『対談―中国を考える』、『西域をゆく』を中心に、それらにあらわれる中国に関する視点を細かく分析して、司馬遼太郎中国観の特徴と性質を解明しようとするものである。 キーワード:司馬遼太郎、司馬文学、中国史観
目次 要旨 中文摘要 第1章 はじめに-1 1.1 課題の動機、目的と意義-1 1.2 日本における研究状況―多方面における研究-1 1.3中国における研究状況-2 第2章 「司馬史観」および司馬中国題材の歴史小説-3 2.1 「司馬史観」について-3 2.1.1「司馬史観」人気がある原因-3 2.1.2 司馬遼太郎の歴史主義-3 2.2 司馬中国題材の歴史小説と中国についての論述の紹介-4 第3章 司馬遼太郎の中国歴史観-5 3.1 中国の食糧問題と中国歴史の変革-5 3.2司馬遼太郎の視野における1975年の中国-6 第4章 司馬遼太郎の中国文化観-9 4.1 儒教と朱子学観-9 4.1.1 アジア近代落後の原因は朱子学にある-9 4.1.2 朱子学と明治維新-10 4.1.3 科挙制度と宦官制度への批判-10 4.2中国西域観-10 第5章 おわりに-13 参考文献-14 謝 辞-15 |