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要旨:村上春樹(1949年1月12日―)は、現代の日本文壇に活躍している有名な小説家である。29歳から創作が始まり、処女作の『風の歌を聴け』が日本群像新人文学賞を受賞した。1987年、『ノルウェイの森』は上下430万部の売り上げで、大ベストセラーとなり、これをきっかけに村上ブームが起ってきた。 村上春樹の作品は用語が簡潔で生き生きとし、現代人の孤独と悲しみを表している。作品は読者を魅了して、共鳴させる。作品を通じて、現代人の生存苦境が見られる。2004年に出版された小説、『アフターダーク』の主題は「孤独感」である。数多くの登場人物たちには一つの共通点がある。それは「孤独的な人生で力のかぎりもがく」ことである。 本稿は「孤独感」や「救い」という二つの視点から『アフターダーク』を解析してみる。急速に発展する経済や進歩している科学技術は人間の心を冷淡にさせた。人と人との交流が少なくなってきた。自分が悲しくて悩んだ時、話を聞いてくれる人もいないぐらいである。登場人物の孤独感やその原因の分析を通じて、小説に隠されている、いわゆる心の孤独から抜け出す方法を究明してみると思う。すなわち、人々との交流、孤独の享受、思い出を味わうなどのことによって、「救い」を求めることである。
キーワード:アフターダーク、孤独感、救い、都市、青年
目次 要旨 中文摘要 はじめに-1 1.先行研究-1 1.1村上春樹についての先行研究-1 1.2『アフターダーク』についての先行研究と本稿の目的-2 2.『アフターダーク』について-2 2.1創作背景-2 2.2あらすじ-3 3.登場人物における「孤独感」と成因-4 3.1浅井マリについて-4 3.2高橋テツヤについて-4 3.3白川について-5 4.『アフターダーク』における「救い」-5 4.1人々の交流-5 4.2孤独の享受-5 4.3記憶-6 5.『羊をめぐる冒険』について-6 5.1あらすじ-6 5.2『羊をめぐる冒険』における「孤独感」と「救い」-7 5.3二つの作品の共通点-7 5.4二つの作品の相違点-8 5.5まとめ-8 おわりに-8 参考文献-10 謝 辞-12 |