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要旨: 遠藤周作は戦後日本「第三新人派」の代表的な作家であり、日本現代重要なキリスト教作家である。遠藤の早期作品は「罪悪と贖罪」の問題を中心に、日本の宗教文化と西洋のキリスト教文化の対立と融合等の関わりを積極的に探求し、キリスト教を日本式の角度から解読する。『海と毒薬』は日本人の「罪と罰」を分析し、戦争の残酷さを訴え、日本民族の宗教信仰を探求するものである。 本稿はまず、遠藤周作が日本人でありながらキリスト教の宗教観を持っており、内心の葛藤と矛盾を分析する。次に、人体解剖実験に参加した三人の登場人物を解析する。無神論者の勝呂は軟弱無力である。麻痺した戸田は罪意識を感覚できない。無感動者の上田は他人を嫉妬し、心が歪んだ。彼らは不幸な運命を抵抗せずに自分のことをあきらめ、暗い海のような時代に巻き込まれ、ついにそれぞれの「罪と罰」を背負っていた。最後、その上に「罪と罰」の原因を明らかにする。まず、日本社会は残酷な戦争で致命的な打撃に受け、人間性は戦火に踏みにじられ、人間は麻痺して冷淡になることが分った。次に、汎神論の宗教環境と統一な宗教信仰の欠如のため、社会の思想基盤は動揺し、軟弱無力な民衆を導けない。最後、根深い日本の伝統的な道徳観の「恥の文化」及び「集団意識」は日本人の行為と意識を極端に束縛し、「罪と罰」を起こす主な原因であることが分かった。 『海と毒薬』は遠藤周作の早期の作品として、神を信じなくて世間からの罰だけ気になり、集団意識に制約された日本人の人間性を批判し、純粋なキリスト教は日本風土に溶け込めない現実の問題を論じた。
キーワード:远藤周作、キリスト教、罪と罰、集団意識、神
目次 要旨 中文摘要 はじめに-1 1、『海と毒薬』と遠藤周作-1 1.1、『海と毒薬』の紹介-1 1.2、遠藤周作の信仰-2 1.3、主な登場人物-3 2、「罪と罰」の表現-4 2.1、無神論の勝呂二郎-4 2.2、無罪意識の戸田剛-6 2.3、無感動の上田ノブ-7 3、「罪と罰」の原因-8 3.1、残酷な戦争時代-8 3.2、社会信仰-9 3.3、日本伝統道徳観の影響-10 おわりに-11 参考文献-12 謝辞-13 |