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要旨:中日両国の言語には大量の同形語が存在している。中日同形語を考察することは、言語学においても、中日交流史研究においても重大な意義があると思われる。中日同形語に関する研究は国内外では数多く出ているが、具体的同形語を対象にする研究はまだ少ない。 本稿では“机关”と「機関」を例に、コーパスを活用して、辞書検索と例文分析を通じて、二者の意味的異同とつながりを考察した。論文は四章から構成されている。第一章は簡単に中日同形語の定義と分類を紹介し、研究問題を提起した。第二章は中国語における“机关”の意味を分析した。第三章は日本語における「機関」の意味を分析した。第四章は“机关”と「機関」の異同と中日言語のつながりを探った。 考察により、以下のことが分かった。“机关”と「機関」は同じ語源を持ち、両者とも古代中国語の“机关”に由来しているが、今日では、同形類義語となっている。長い歴史の中で、“机关”と「機関」はそれぞれ意味が大きく変遷している。“机关”と「機関」の例からわかるように、中国語と日本語はお互いに深い影響を与えている。さらに、言語の比較研究は共時的だけでなく、通時的な要因も考えるべきである。
キーワード:中日同形語、“机关”、「機関」、意味
目次 要旨: 中文摘要 はじめに-1 第一章 中日同形語について-1 1.1定義及び分類-1 1.2問題の提起-2 第二章 中国語における“机关”の意味分析-2 2.1“机关”の語源-2 2.2中国語における“机关”の意味の変遷-3 第三章 日本語における「機関」の意味分析-5 3.1「機関」の語源-5 3.2日本語における「機関」の意味の変遷-7 第四章 “机关”と「機関」の異同と中日言語のつながり-9 4.1共通点-9 4.2相違点-10 4.3中日言語のつながり-11 終わりに-12 参考文献-13 謝辞-14 |